スーツを着たくないなら着物で就活すればいいじゃない
概要
スーツを着たくなさすぎて(1年くらいかけて)着物で就活をしました。
経緯
黒いスーツに、黒いパンプス、黒い鞄、所謂「就活生」の服装で就活をする日本。
「なんでこんな格好をしないといけないんだろう......?」
日本の就活生は誰しも一度は思うはずです。
少なくとも自分はスーツが似合わない、似合うスーツを探すのも面倒、スーツを着たくない人間でした。
そこで考えたのが「スーツを着ずに就活をすれば良いじゃないか」。
とは言いながらも実際これを行動に移す人はあまりいません。日本は新卒採用が重要だと言われているのでわざわざそんなことを考えている暇があったら、周りに合わせて、行きたい会社を受ける方が絶対に楽だと思います。
しかし、周りに合わせて仮に会社を決めても絶対に自分に合わないような気がしました。きっと社会人には向いていませんね。ということで、実行に移すことにしてみました。
なぜ着物なのか
まず、着物が好きで大学の途中からずっと着物生活をしていたのが一番の理由です。
着物だったら普段着から礼装まであるので、格としてはスーツには劣らないのではと考えました。
あと、せっかく日本の民族衣装として素敵なものがあるのに着ないなんて勿体ないじゃないですか。「日本文化をもっと世界へ」と主張しても良いのですが、国内に向けてもっと元からあるものの良さをどんどん主張するべきではないかと思います。
過去に経済産業省も和装出勤を促そうとしていた事実もありますし。
装備
さて、着物の装備ですが、あくまでも現代の生活に合わせた状態で着ていたため、色々と従来の着方から変更をしています。
基本装備は
色無地、半幅帯か名古屋帯、パンプスか草履か革靴
でした。
金欠学生だったので古着(3000-5000円くらい)がメインです。
全身を覆えて身体も冷やさなくて良いし、ストッキングの心配もしなくて良いのはメリットですね。着付けに関しては普段から着ているので今回はスルーします。
個人的にはスーツより全然動ける格好です。
着物
色無地とは1色で染め上げられている着物で普段着から少し改まった席までいけてしまう便利な着物です。
これは周りがスーツなので色無地が一番落ち着いて見えるかなという理由です。紺とか濃い色にしていました。
紋なしと一つ紋を着てましたが、おそらく何も気づかないレベルだと思います。
帯
着物に詳しい人からしたら、なんで半幅帯なの?と怒られると思います。しかし、リュックサックを背負うので、後ろをぺったんこにしとかないと荷物が持てないという理由があったためこのような形になりました(この時、肩掛けバッグ等は身体を痛めていたため避けていました)。
名古屋帯の時はお太鼓にしていましたが、結局1回だけでした(荷物が持てない)。
履物
着物にパンプスで結構動いていたのですが、足を盛大に挫いて全治3週間とかやらかしたので草履と黒の革靴がメインでした。やっぱり歩きやすいものが一番だと思います。機動力が大事。
履歴書
最初はごくごく普通の写真を貼ってたんです。ただ、途中からもっと履歴書の写真も自由で良いのでは?と着物着た写真に変えました。しかも、海外行った時に撮影した写真をそのまま貼りました。
ここで得た知見は書類が意外と通るということです(学歴とかの要素なのかどうかは検証できていないので把握できていませんが......)。
企業と面接
基本的には私服OKのところを受けていました(デザインか技術職)。あと、きっと自分には合わないと感じたため大手は避けていました。
だいたい一言目は「おぉっ......」となりますが、面接は普通に行われます。
質問に絶対「何で着物なの?」と聞かれますが、普段着と和服も礼装という話をしていました。
あとは半幅帯だろうが何だろうが着物に詳しい人がいないので、一括りに「着物」と認識されるケースがほとんどでした。それはそれでちょっと寂しさを感じましたが......。
着物系の企業は受けなかったの?
着物は好きなので、良いお店もあることはわかっているのですが、いくつかの着物屋さんに対して良い印象があまりないのが自分の経験からあったことが強く影響しているかと思います。
将来的に何かしらの形で関わるのは楽しいと思います!!
むしろ機会があれば関わりたいですね!!
やってみた感想
良くも悪くも目立ちます。本当に目立ちます。少数派の人間になります。
よく知らない人に話しかけられます(楽しい)。
あとは、面接受けてみて探せば着物でも良いよという企業さんはあるということを学びました(ただし数は非常に少ないと思います)。
着物で面接行っても、きちんと能力部分で内定をいただいたり、お祈りメールを出されていたので特にどうこう言うものはありません。
企業からしたら迷惑な人間と捉えられる可能性はあるでしょう。ただし、面白いと思われるケースもありました。どっちになるかはその人次第だと思います。
でも、話を聞いた上で納得してくれる人に出会えるのであればやった甲斐はあると言えるのではないでしょうか。
自分はやって後悔はありませんし、むしろ、やってみて良かったと思います。
現在はネタと化してます笑
結果
現在、PCを使って着物を着て働いています。
着物の仕事はしていないですが......
これからも日本の文化を大事にしていきたいなと思います。
【4月22日】
こぼれ話を追加しました。