今日も生きてる

ホームレスの方とお話ししてきた

やることが大体唐突

こんにちは、ゆーたです。

今年もありとあらゆる場面で、大変密度の濃い時間を過ごしております。

 

最近ビックイシューを買っています

突然ですが皆さん、ビックイシューってご存知でしょうか?

ビックイシューとはホームレス状態の方が販売している雑誌で、自立を支援するための事業となっています。1冊350円で180円が販売者の収入になるというものです。

 

私は5年くらい前からその存在をしり、興味を持っていたものの、なかなか購入するまでに至らず、なんだかんだで5年くらい()経っていました。

 

そして、9月に渋谷駅でビックイシューを売っているのを見かけ、勢いで初めて雑誌を購入するに至りました。販売者の方はてきぱきと雑誌を用意し、売ってくださいました。ビックイシューではホームレスの方の記事も掲載されており、そこからホームレスの方はどのような暮らしをしているのだろう......と興味を持ち始めました。

 

www.bigissue.jp

 

住所や住居がない人にとっての台風

そんなことを考えていた矢先、先週、台風19号がやってきました。

台風19号では多摩川のホームレスの方が亡くなったり、台東区のホームレスの人の避難場所についてニュースになり、ネット上では議論が巻き起こっていました。

ニュースに取り上げられるのは一部のエリアだけでしたが、他のエリアはどうだったんだろう、実際当事者の方はどうしたんだろうかと気になりました。

ということで、実際に話を聞きに行ってみることにしました。

 

mainichi.jp

実際に話を聞きに行ってきた 

といいつつも、どこに行けばいいのか、一人で行ってもどうにかなるものではないし......と何もわからなかったため、まずは調べてみることにしました。

 

調べた結果、Webページでいくつか活動されている団体があることを知り、よく訪れる新宿エリアに行くことを決めました。

 

その中から飛び入り参加大歓迎とのことだったため、今回はスープの会の路上訪問に参加させていただきました。

スープの会さんの路上訪問では毎週土曜日の19時から、新宿駅周辺でスープ(お味噌汁)やカイロや靴下の日用品を片手に、ホームレスの方との繋がりを生むことを目的に活動をされていらっしゃいます。

 

私の他にも初めてかつ、飛び入り参加も多く、今回参加した回では私を含めて7人くらいの人が初参加でした。

参加目的も、ホームレスの方の支援がしたい、研究をしている、ホームレスの方がどんな生活をしているのか気になって来てみた等様々です。

 

路上訪問では新宿エリアを3チームに分かれて各チーム6-7人(多少前後あり)の方を訪問していきます。

 私は今回、新宿駅西口エリアを中心に周りました。

 

「こんばんは、先週の台風大丈夫でしたか?」と声をかけつつ、ホームレスの方にお味噌汁をお渡しします。2時間かけて新宿内を歩くのですが、一人一人のところで、じっくりお話をすることが多いため、他の炊き出しとは異なる雰囲気です。 

メインは炊き出しではなく、まさにホームレスの方とお話をすることです。

 

 

話の内容は先週の台風の話題だったり、近況のことだったり、ラグビーのことだったり、これからの仕事のことだったり、体調のことだったり様々で、ホームレスの方と顔なじみの方は20分くらいかけてじっくり話をしているケースもありました。

他にも時期的にハロウィンが近いので、ジョークグッズを持参してきて話のネタにしている方もいらっしゃいました。

今回お会いしたホームレスの皆さんはとてもフレンドリーで、沢山話をしてくださいました。

毎週土曜日を楽しみにしているホームレスの方もいらっしゃるようです。

わざわざ声をかけて呼び止めてくださったホームレスの方もいらっしゃいます。

 

 

私たちのグループが最初に声をかけた方は正直、ホームレスの方だと全然わかりませんでした。服装が大変お洒落だったためです。

他の方も当初はホームレスの方だとわからなかったそうです。そのようなケースもあるのだなと思いつつ、そのホームレスの方は「今日は初めてか?」「また、来いよ」と声をかけてくださいました。 

 

実際にホームレスの方や他の路上訪問の参加者の方から台風の時の話も聞いてきました。台風の時は新宿の自主避難所、新宿駅地下、牛丼チェーン等に避難をされたそうです。また、普段いる場所(路上)にそのままいたという方もいらっしゃいました。

 

まさに「逃げるところなんかないから地下に行ったよ」という話から「自主避難所が開いていると聞いたからそっちに行った」とホームレスの方の中でも得ることができる情報に偏りがあるようでした。

 

また、牛丼チェーンに避難していた話では、

「台風の日にお店を開けるのは危ないのでやめた方が良いという意見がある中、お店が開いていたことで助けられた人もいることを考えると複雑な気持ちでした」

と感想をおっしゃっていた参加者の方がいらっしゃって、正直、私も複雑な気持ちです。

参加してみての感想

 

新宿駅西口はよく通るのですが、いつもは素通りしてしまう日常を一度、違う視点から立ち止まってよく見てみるということが新鮮でした。

 

私たちはその人たちがそこにいるということは認識していても、自分とは別世界のことだと考えがちになってしまいます。この記事を書いている自分自身もその一人です。

 

今回は実際に自分の足で話を聞きに行くことで、現状を少し知ることができました。ただ、先ほど「ホームレスだとわからなかった」という感想があった通り、ネカフェ暮らしやドヤ暮らしの人も考えると、もっと直接目に見えない人々が沢山いるのではないかと思います。

ビックイシューを購入する時に、男性のホームレスの方と少しお話したことはあるのですが、女性のホームレスの方とお話をしたのも今回が初めてでした。

 

また、東路上生活者の支援施設や仕事がないからと、東北の方から上京してくる方も多いらしいです。東京に来るまでにも様々な背景があるようです。

 

今回、ホームレスの方とお話をしてみて、すぐに何ができるかは私にもわかりません、しかし、まずは実際に自分の目で見てみる、知ってみるということは大切なのではないかと思います。

 

最初に紹介したビックイシューでは路上脱出・生活SOSガイドも無料で提供されています。公共図書館にも設置がある場所も多いようです。

https://bigissue.or.jp/action/guide/#section02

日頃からどこに必要な情報があるか知っておくだけでも、誰かを助けるきっかけになるかもしれません。

また、図書館情報学を学んでた身としては、様々な議論が巻き起こっているものの、公共図書館が路上生活を脱する情報も含めた生活に必要な情報を平等に無料で得ることができる場所であるということも再認識しました。

 

とても勉強になりました。また、参加してみたいと考えています。

 

 

 

その辺にいる人